「町役場はどこに(役場移転問題と合併問題)」            小3、4 社会

 
   
 

 本時は、小学校社会科3または4年の「身近な地域調べ」の中の公共施設に関する教材「町役場はどこに」の1校時である。公共施設の役割のみであれば、3年生の学習内容として設定することもできるが、竹富町を想定した場合、町外に役場があるということ、その役場を町内に移転しようとする動きと、市町村合併という動きを抜きにこの学習は考えられないであろうということで本教材は設定されている。
  教材の目標としては、1.町役場の役割について学ぶこと、2.竹富町の役場が町外にあることは特異な例であることを知ること、3.竹富町役場が町外にあることと航路・流通経済等の問題を結びつけ現状を認識すること、4.役場移転・市町村合併にはさまざまな意見があることが設定されている。この中で、さまざまな意見から自分なりの解決方法を考えてみることが本教材の最終目標であり、町民としての自治への興味や参加を意識した教材と言える。
  その点では、3,4年の中で学んできた地域学習、公共施設の学習のまとめとして「竹富町のあり方」を考える教材として活用してもらうことが可能であると考える。

 
   
 

    学年:小学校3年 社会
    単元:「身近な地域について調べよう」
    校時:1校時(2時間程度)

 
   
 

・竹富町役場は石垣市にあることを確認する。
・役場の仕事と石垣島依存の経済生活を合わせて理解することで、現状の役場が存続してきた理由の一つを学ぶ。

 
   
 
  学習の展開 教師の支援・評価の観点
 

・ワークシートを配布する。
・竹富町役場が町外にあることをみんなで確認する。

予想としては、
イリオモテヤマネコ
セマルハコガメなどの動物
節祭
豊年祭などの祭りや行事
日本最南端
きれいな海・山などの自然があがるであろう

作業1
「竹富町にしかないめずらしいものやめずらしいことを思いつくかぎりあげてみましょう。」

〈評価〉
・子どもの生活体験から、竹富町にしかないものを出すことができる力

竹富町に関する理解と愛着
 

・ワークシートの2枚目に各自の意見を書かせる。

 

・各自の島から係る費用と時間を確認する。

 

 

質問
「実は、竹富町役場というのは、日本の中でもめずらしいものなのです。みなさん竹富町役場はどこにありますか。」

作業2
「あなたの家から役場までどのような交通手段を使っていくか調べてみよう。また、役場までかかる時間とお金も調べてみよう。」

ここで補助的に、船の運賃や航路についての資料を教師は提示することが必要になる。

各社の船の時刻表や港までの交通機関について、出し合う。
  役場の仕事内容についての聞き取りの指示を行う。保護者への聞き取りから役場の仕事内容を深めていき、具体的に島の住民がどのような用事で役場を訪れるのかを理解できるようにする。

指示
「あなたのお父さん、お母さんやおじさん、おばさんはどのような時に役場に行きますか。聞いてみましょう。次の時間にみんなが聞いてきたことを発表しあいましょう。」

・調査の方法、質問項目について各自で整理させる。
・ 必要であれば、各自でどんな時に行くのか、自分たちの経験から予想を立ててみる。

〈評価〉
自分の聞きたいことを聞く能力

 
   
 

(1)児童・生徒の感想

・ 役場に行くためには、石垣島まで行かないといけないのは遠い。
・ そういえば、役場に行くときには買い物もしてきていたなあ。
・ 役場に行くときには、朝から出かけている。
・ 竹富町役場がめずらしいということは知らなかった。外にもあると思っていた。

(2)考察
  本時は、導入として子どもたちの身近さから役場の問題を考えるという点は効果的である。特にさまざまな島の特徴を持つ竹富町の島々の子どもたちにとって、「自分たちの島(町)がもっているめずらしいもの・こと」を考えることは、子どもにとっても入りやすい導入であり、教師にとっても、竹富町に関する全般的な理解を確認することもできる作業である。
  今回、写真つきのワークシートにより、子どもができるだけ想像しやすいように配慮した教材としてあるが、もし可能であれば、それらの写真をカットした形で活用することもできるし、ワークシートのタイトルで、「町役場!」と反応してしまう子もいるので、ワークシートと切りはなして、プロジェクターでこれらの写真を写しながら、「竹富町にあるめずらしいもの」を出し合うような導入方法にすることも可能であろう。
  また、この調べの課題後の展開は、基本的にさまざまな意見を並べながら、その論理性を問う内容となっている。そのため、教師が議論をただ並べるだけでは、成立しないという部分があるため、それぞれの子どもの論理性を整理して板書をしたり、討論を組み立てることが重要な点になると思われる。
  市町村合併について今回ふれてはいるものの、本教材作成時には具体的な動きが大きくなっていない時期に作成したものであるために、一定の住民のアンケートを中心とした内容となっているが、現在は大きく情勢も動いているため、より具体的な合併の賛否に関する意見を並べることが必要になるため、教材の再構成が今後重要になってきている。

 
   
 

・ PC関連
   教師用PC(1台),プロジェクタ,教材CD
・ 指導案は,プロジェクタ等で教材を表示して,クラス全員で一斉に学習を進めていく形態を想定している。

 
   
 

教材URL:「教材ソフト一覧」にて教材を閲覧下さい    
   http://oecc.open.ed.jp/cdrom/noteword/note15.doc
   http://oecc.open.ed.jp/cdrom/notepdf/note15.pdf

沖縄県立総合教育センターに,竹富町教育委員会(結び合うしま島)として登録されている教材の一つである。
本指導案では、このワークシートの1ページより4ページまでの部分を活用することを目的としたものである。

 
 
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