「みんなの輪」                              小3、4  社会

 
   
 

 本時は,小学校社会科3、4年の中の小単元「みんなの輪」の中の1校時目である。現行の学習指導要領小学校社会科3、4年の目標の中では,「地域社会に対する誇りと愛情を育てるようにする」と述べる。
  以上のことをふまえて単元「みんなの輪」の目標を次のように設定した。竹富町に住む子どもたちの住む集落の多くは、過疎という悩みを抱えている。そういう中で、新城 上地島は人口が減少しつづけ廃村寸前の人口が5人しかいない島である。しかし、上地島にはたくさんの家があり、町並みをみることができる。この島の出身者はこの島でお祭りをするためにこの島に戻ってくるので家が増え続けているのだという。島出身の人々がとても大切に、そして誇りに思っているのがお祭りである。年代別島ごと人口比較、新城島出身のおじさんのはなし、現在の新城(上地島)の写真、上地島の人口推移を教材として、島を出ても、島の伝統文化を継承しているという事実を伝える。

 
   
 

学年:小学校3、4年 社会科
単元:「みんなの輪」 2時間の内 1校時目

  
 
   
 

・現在の新城島の情景を子どもが資料と生活実感をもとに想像して描く
・人口が5人しか無いという状況と町並みが歴然とあるという落差を解き明かしたいという子どもに動機づけをする。

 
   
 
  学習の展開 教師の支援・評価の観点








自分の住んでいる島の人口動態を知る。

 

島に人がいなくなっていたら、当然島に帰らないと答える。

発問1
自分の住んでいる島の人口は、お父さん、お母さんの子どものころとあなたの生まれたころと現在とを比べて増えたでしょうか。それとも、減ったでしょうか。グラフをみて考えてみましょう。

わたしたちの住んでいる島は、たえず変化しています。

発問2
もし、あなたが大きくなって学校にいくために一度島を出たとします。そして、また島に帰ろうとしたとき島に人がいなくなっていました。さて、このとき、あなたならふるさとでくらしますか。それとも、他の場所でくらしますか。

<評価> *グラフを理解する力

新城島出身のおじさんのはなし(要旨)

むかしは、みんなで協力して「焼畑農業」をしながら、あわ、豆類、イモを育て米は西表島の大原にわたって、田を魚をとっていた。やがて水と土地をもとめて人々の大原への移住、お金がないと何にも買えない時代がきて、仕事と土地をもとめて人々は島を出ていってしまった。そして、昭和50 年(1975年)、学校もとうとう廃校となり、島には子どもがいなくなってしまった。でも、今は、電気も、水も、食べ物もある。この島にないのは人だけだよ。

現在の新城島の情景を子どもが想像して描く。

 

・教材・新城島出身のおじさんのはなしを教師が語る

 




現在新城島がどうなっているのか絵に描くよう指示する。

評価
子どもの生活体験と関わらせた想像力



町並みのある『現在の新城(上地島)』写真と、人口が3〜5人の間で推移している表をみて気づいたことを書く。

町並みのある『現在の新城(上地島)』写真と、人口が3〜5人の間で推移している表を見せ気づいたことを書かせる。

 

<評価>
子ども自身が、町並と人口の落差に疑問を抱けるか。

 
   
 

(1)生徒の想像と疑問
@作成された新城島の想像図は、青い島に雑草がはえ、ぽつんと家が一つ二つあるという情景描写が大部分で あった。少数だが、テレビのアンテナを描いている子ども、電信柱を描いてこどもがいた。また、家の前に畑を描く 子どもも一人いた。
Aまとめのところでは、なぜ草ぼーぼーではないのか?など期待する意見もでたが、写真からやはりさびしい感じ だという意見が多くでた。
B発問2は、人がいなくなったら帰るかという発問はアバウトであり、やはり予想通り誰も帰らないと答えた。

(2)考察
@、さびしい廃村寸前の島を描くことを期待していたがそのとおり描いてくれた。また、水道や電気が通じていると いうことに着目した子どもがアンテナや電信柱を描いた観察眼のある子がでたことに感心したことや、家の畑を描 く子どもが、日常的にお年寄りとの交流から描きだしたものであることの意味を子どもたちと共有した。
A町並みを撮ったつもりの写真には家が二軒しかなく、人口が少ないのにどうして町並みがあるの?という疑問を 生じるまで至らなかった。写真教材の更新の必要を実感した。
B発問2は、じつは、次時で、ほとんど人のいない島に、祭りの時大勢の人が帰ってくるのだということとの落差を 作るための伏線である。この時間中では伏線が生きないため、実践者としては強引な感じがあってなじみにくい 発問であった。

 
   
 

・PC関連
   教師用PC(1台),プロジェクタ,教材CD
・プロジェクタ等で教材を表示するのみならず、クラス全員ひとりひとりに教材を含み込んだワークシートを配布する。

 
   
 

教材URL:「教材ソフト一覧」にて教材を閲覧下さい   
  http://oecc.open.ed.jp/cdrom/noteword/note22.doc
  http://oecc.open.ed.jp/cdrom/notepdf/note22.pdf

沖縄県立総合教育センターに,竹富町教育委員会(結び合うしま島)として登録されている教材の一つである。
『みんなの輪』は竹富町の島々のIdentityを考えるワークシートになっている。今回の学習では,この中の「人がいなくなる」を活用した。

 
 
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