人より牛の多い島(黒島の畜産)                   小3、4 社会  
   
 

 本時は、小学校社会科3または4年の「身近な地域調べ」の中の産業学習に関わる教材「人より牛の多い島」の3校時である。
  本教材集「結びあうしま島」は、竹富町小学校社会科副読本として作成されたものをもとにして、改訂・デジタルコンテンツ化している。そのため、この副読本のコンセプトが産業学習の教材には生きているため、若干この点について解説しておきたい。本教材集は、竹富町の各島の産業を理解することが一つの目標となっているため、できるだけ多くの地域をとりあげ、その特徴となる産業をとりあげることにしている。
  本教材は黒島の畜産業に着目し作成されたもので、「黒島ではなぜ子牛を売るのか」という畜産形態に関わる疑問からはじまり、黒島の畜産の特徴である「スタビライザーによる土地改良」「ダニの撲滅」について学ぶ。その学習を受け、「黒島の畜産農家」として農家の特徴について考え、黒島という限られた土地の中で、どのような工夫をしてきたのかを考える教材である。
  本時では、まとめとして畜産をついだ若者を紹介しながら、黒島の子どもの立場になって「どのようなスタイルの畜産をやりたいか」を主体的に考えることに目標をおいている。

 
   
 

    学年:小学校3年 社会
    単元:「人より牛の多い島」
    校時:3校時(3時間程度)

 
   
 

・黒島の土地改良について考え、畜産にあった土地づくりをしてきた歴史を学ぶ。
・農家の規模やその手法の違いについて考える。
・将来、黒島の畜産がどうなればいいのか、その将来像を考える。

 
   
 
  学習の展開 教師の支援・評価の観点
 

・ワークシートを配布する。

・前時までの復習をする。

・よい牛を育てるための工夫として、「ダニの絶滅」を農家の努力として行ってきたことを確認する。

・黒島の畜産が、よい子牛を育てるということに努力してきたことを再度確認する
 

・よい牛を育てるための工夫としての「土地改良」について考える。
























・畜産農家の違いを考える。

発問1
「2つの牧草地の写真を見て違う点をあげてみよう。」

・写真から、でこぼこのある牧場と平らな牧場との比較をする。

発問2
「どちらが牛をたくさん増やすことができるだろう。なぜそう思ったのか書いてみよう。」

・ここでは、写真の具体的な場面を観察できる力を確認しながらすすめる。

・たくさんの牛をふやすことと、よい牛を育てることの関連性について考えること。

・推論を出し合った後に、おじさんの話を読んで、土地利用の工夫について考えること。

〈評価〉
写真の観察から論理的推論をたてる力

作業1
「それぞれの写真は、A、Bそれぞれどちらの農家のものだろう。それぞれの写真の番号を入れよう。」

・おじさんの話をよく読んで、その内容にあてはまるものを選ばせる。

・農家の規模や規模がどのような畜産の形態を表しているのかを具体的にイメージさせ、次の若者の展望へつなげるようにする。

〈評価〉
一定の条件を元に推論する能力

 

・大人になったけんちゃんの予想を考える。

「大人になったけんちゃん。どんな畜産をしているだろう。予想してみよう。」
・学習のまとめとして、けんちゃんのすがたを予想させることで、自分たちが学んだもっともよいと考える畜産の方法についてまとめさせる。

〈評価〉
これまで学んだ知識を活かして、自分なりの畜産像を描く力

 
   
 

本教材は、黒島の畜産の特徴をコンパクトにまとめた教材としてその価値がある。畜産の内容を具体的に子牛を育て売るという黒島の方式に合わせて、その農家の仕事の流れをまとめ、絵日記風に紹介している(図1参照)。このことと、前述した黒島の特徴である「ダニの絶滅」と「スタビライザーによる土地改良」をその特徴として描いている。 また、今後の畜産のあり方を語りながら、実際に畜舎や放牧地の様子、その規模の違いなどを具体的にイメージすることができるようになっている。 改良点として、よい牛を育てる時にもっとどんな工夫ができるのか、子牛の栄養やその飼育方法の工夫にはどのようなものがあるのか、材料が広がると畜産農家の今後のあり方も変わるのでないかと思われる。

 
   
 

・PC関連
  教師用PC(1台),プロジェクタ,教材CD
・指導案は,プロジェクタ等で教材を表示して,クラス全員で一斉に学習を進めていく形態を想定している。

 
   
 

教材URL:「教材ソフト一覧」にて教材を閲覧下さい
    http://oecc.open.ed.jp/cdrom/noteword/note03.doc
    http://oecc.open.ed.jp/cdrom/notepdf/note03.pdf

沖縄県立総合教育センターに,竹富町教育委員会(結び合うしま島)として登録されている教材の一つである。
本指導案では、このワークシートの12ページより16ページまでの部分を活用することを目的としたものである。

 
 
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