『春望』                                           中 国語  
   
   多くの生徒は漢文及び古典文学の学習を難しいものと考えてしまうようである。
その理由としてまず挙げられるのが,現代語とは異なった言語が使われている事実である。つまり,言葉の意味が理解しにくいということが最大の理由であると思われる。それは当時の文化形態が現代のそれと大きく隔するものであるために,現代では存在しない言葉が多数存在することに起因するものと思われる。このように言語も文化も異なる文学作品を学習することは,生徒にとっては大きな難関となるのである。
  また,第2の理由として考えられるのが,現代社会と遠く離れた「過去のおはなし」であるために,学習の意義をつかめず,なぜいまさら漢文を学習しなければならないのかという疑問を抱いたまま,学習を行うため次第に興味・関心が遠のいてしまうという点である。
 表記上の難解さに翻弄され,作品の核心に気づかないまま学習するのは,生徒にとって大きな損失となる。このような理由により,中学校国語教科における古典学習の基本となる「朗読」「口語訳」「書き下し文」「返り点」を取り扱った提示用教材『春望』を新たに開発した。基本的事項を短時間に視聴覚などの五感に迫る教材を有効に活用することによって,限られた時間の中で,真に大切な内容理解に学習時間を費やすことができるものと考える。
 
   
  学年: 中学校3年
単元: 「古典を味わう」
校時: 1校時/12時間
 
   
 

・返り点を法則にしたがって正しく書き下し文に改めることができる。 
・朗読教材を視聴し,リズムよく朗読をすることができる。

 
   
 
  学習の展開 教師の支援・評価の観点

・注意する語句の確認。
・時代考証の上で大切な「安禄山の乱」を事前に宿題として調べさせておく。

・提示画面「返り点(レ点)(一.二点)」の確認。 








・提示画面「朗読」を参考に音読の練習を行う。


・教材「春望」をプロジェクターで提示して説明する。・返り点がどのような規則性をもっているのかを考えさせる。

・「不」を「ふ」に読み変える必要があることを確認する。
<評価> 規則にしたがって正しく書き下し文に直すことができるか。

・朗読の際,どこで区切るのか教科書に印を書き込み,さらに斉読することで誤読を防ぐ。また,先ほど確認した「返り点」の出現箇所と読み替えを確認していく。

<評価> 誤読がなく,古典のリズムをつかんで音読することができるか。

まとめ ・読みの確認と序段の内容を確認する。 <評価>
返り点の法則に従って正しく読めるか。また書き下し文に直すための約束を説明できるか。
 
   
  ・朗読CDやビデオと異なり,どの文字をどのように朗読すべきなのかを示すことができる。そのために生徒は声の 抑揚やリズム,仮名遣いの読み替えを正しく行うことができると考えられる。
・表現方法の学習をマルチメディア教材を用いることで,理解度を深めることができる。
 
   
   教師用PC(1台),プロジェクター(1台),
  *PC室を使用する場合は生徒用PC(人数分),
 必要とするソフトウェア(必須)「Flash Player」Ver7以上,Shockwave Player」Ver10.1.0.11
                     以上(Macromeadia),「Adobe Reader」,Java Vm(microsoft)
教材『春望』(html) http://www2.open.ed.jp/JBC000F/JBC030F_app.po?DATA_ID=37503
検索キーワード 中学校,国語,春望
 
   
 

【図1 教材の初期画面】
  巻ノ壱〜四はクリックすると,それぞれの学習項目にジャンプする。
 をクリックすると学習終了となる。

【図1 巻ノ壱 朗読】
  朗読に合わせて文字が赤色に変換する。

再生ボタン
一時停止ボタン
リセットボタン

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【図3 巻ノ弐 歴史的仮名遣い】
PDFファイル方式なので,プリントアウトが可能となる。
巻弐〜参がこれに該当する。

 

 
 
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