静電気を感じよう                                   中 理科  
   
   本時は,単元末に独自に設定した「トライ」と称する時間である。これまでの単元の学習において,観察や実験を通して電流は身近な現象であることや,社会基盤として生活に欠かせないものであることの認識を深めてきている。
  しかし,学習が進むにつれて内容が難しくなってくると,オームの法則や磁界のでき方の規則性などを機械的に覚えることにとらわれすぎ,徐々にこの単元に対する親しみや興味を失ってしまう生徒が増えてくる。
  そこで,単元末の本時を含めて3時間ほど,電流に関する実験を集めたコンテンツを見ながら簡単な実験を行い,電流に関する単元導入時の親しみをもう一度味わわせることをねらいとしている。
 
   
  学年:中学校2年 理科
   単元:「電流」
   校時:1校時(30時間)
 
   
  ・身近なもので静電気の発生や蓄積ができることを知る。
・自然現象として感じられる感電や火花が,静電気によるものであることを実験を通して知る。
・静電気にも極性があることを知る。
・協力して実験を成功させることの楽しみを知る。
 
   
 
  学習の展開 教師の支援・評価の観点

・本時の学習内容を説明
  実験の手順や諸注意等を聞き,実験に使う器具を準備する
・事前にワークシートを配布し,本コンテンツを表示させておく
・いくつかの実験を行うので,それぞれの実験の手順,使用する器具類,留意点について確実に伝える
<評価>
*説明を聞く姿勢・態度
*実験の準備の協力体制

 

 

・静電気に関する演示実験を行う
  演示実験:静電気で蛍光灯を光らせよう

・本コンテンツから,本時に使用する教材ページを開いていく

・静電気に関する実験1を行う
  実験1:電気コップにはさみを近づける

・静電気に関する実験2を行う
  実験2:電気コップで感電する

・静電気に関する実験3を行う
  実験3:静電気でビニールひもを浮かせる

・実験終了後,実験に使用した器具類の片づけを行う

・以降の実験に興味を持たせる演示となるよう工夫する

・全員が教材ページを表示できたかを確認して実験をはじめさせる

・実験1は教室を暗くして行う必要があるので,全グループ一斉に行う

・実験2以降は,各グループ単位で進めさせていく

・細かい作業となるので,教材ページの内容をしっかりと確認させて進めさせる

<評価>
*教材ページの手順に従って実験を進めているか
*役割分担を決め,実験から片づけまでを協力して進めているか
*実験の結果や実験中に気づいた点などをワークシートに記録しているか

まとめ ・自己評価や感想をワークシートに記入する

・教師の話を聞き,今日の実験の意義を振り返り,静電気についての知識を深める

・今回の実験をじっくりと考察させる
・今回の実験で気づきにくい点(静電気の極性)などを紹介する
<評価>
*実験結果を丁寧にまとめているか。
*気づいたことや疑問点など,実験結果を考察しているか
*実験の協力体制や進め方などについて,
自己評価しているか
 
   
   (1)生徒の感想(ワークシートより)
・塩ビのパイプで蛍光灯が光ったときは,とてもびっくりした。

・ティッシュペーパーでこすっただけで,あんなにバチバチと音が出るのに驚いた。その後,ティッシュペーパーの切れ端がパイプにくっついていました。

・真っ暗な教室で,はさみからの火花はとてもきれいに見えた。

・これまで静電気で感電したことがなかったので,ほんとにびっくりしました。4人で手をつないで感電したとき,電気を感じる人と感じない人がいたのが不思議でした。

・ビニールひもを浮かせることができなかったのは残念。できるまでずっとやりたい。

 (2)考察
  電気に関する単元は,オームの法則に代表されるように,難しい計算や公式があるものとして,生徒には敬遠されがちである。観察や実験を工夫することにより,電気によって起こる様々な現象に興味・関心を持たせることによって,この単元のおもしろさを感じさせることはできたように思われる。
  また,この実験Webページ上に公開されていることから,興味を持った生徒は家庭でも同じように実験を行うことができる。

 
   
 

教材URL:http://www2.open.ed.jp/JBA000F/JBA010F_app.po?CATEGORY_CODE=6137&CURRENT_PAGE=1
(教育情報共有システムでの検索キーワード「中学校 理科 実験集 静電気 電池」)


  (1)PC関連
   ・教師用PC(1台),生徒用PC(2人に1台程度でよい)
   ・理科実験用コンテンツ:
  (2)実験用器具,消耗品等
   ・蛍光灯(10W程度),塩ビパイプ,はさみ,ティッシュペーパー,プラスチックコップ
    アルミホイル
  (3)その他
   ・ワークシート
   ・指導案はコンピュータ室を利用して,グループ単位で行う場合を想定している。教室で一斉に行う場合には,教師用PC1台とプロジェクタを組み合わせ,すべての実験を一斉に行うように授業を進めることも可能である。

 
   
  ◎理科実験用コンテンツ(図1)
  備長炭電池の作り方や静電気に関する実験など,電流の実験に関するコンテンツ集である。
  説明文,画像とも本校にて作成したものであるので,利用・印刷等にあたって著作権等の問題は一切生じない。
 日常的に入手可能な消耗品を利用してできる実験もあるので,家庭で同じ実験を行うこともできる。
 
 
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