リアス式海岸                                      中 理科  
   
   本時は,中学校理科第2分野「大地の変化」の中での小単元である。水の力によって大地が削り取られ,地形や地層がつくられていくようすを学習していく過程で,リアス式海岸の形成についてを学習させる。
  指導要領の改訂によって,地形についてはほとんど学習しないことになっているが,地層が削られてできたり,大地が隆起・沈降を繰り返してできる地形については,県内各地にも興味深いものが見られるため,是非ともふれておきたい。
  この学習では,慶良間諸島(特に座間味島)を取り上げ,沈降によってみられる地形について考えさせていく内容となっている。
 
   
  学年:中学校1年 理科
   単元:「大地の変化」
   校時:1校時(25時間)
 
   
  ・地層の形成には,水のはたらきがあることを知る。
・水のはたらきによって削られた部分,削られなかった部分はどうなるかを考えさせる。
・大地が沈降した場合,水の進入によって地形がどうなるかを考えさせる。
・県内各地にも,沈降によってみられる地形があることを知る。
 
   
 
  学習の展開 教師の支援・評価の観点

・本時の学習内容を説明
  県内の地形について紹介されている番組を見る

・番組を見たのち,与えられた課題について意見を発表する

・県内の地形などを紹介した番組を,プロジェクタ,大型スクリーンを使って表示する

・番組の中から,いくつかの課題について発問する。

 <評価>
  *説明を聞く姿勢・態度
  *積極的な発言

 

 

・教材CDから「パズルのピースみたいな形リアス式海岸」を見る

・慶良間諸島には,小さい範囲にたくさんの島々が見られることを知る

・座間味島は,たくさんの入り江が見られる地形であることを知る

・水のはたらきによって大地が浸食されていく過程で,浸食を受けた部分,受けなかった部分がどうなっていくかを考える

・大地が沈降すると,なぜリアス式海岸のような地形ができるのかを考える

・同じくプロジェクタ,スクリーンを使って,教材CDから「パズルのピースみたいな形リアス式海岸」を再生する

・ときおり再生を中断し,解説を加えていく

・再生終了後,課題を与えて考えさせる
  浸食を受けると,大地はどのように変形していくか
  浸食を受けた大地が沈降していくと,どのような海岸線となるか

 <評価>
*浸食されていく過程で,どのように地形が変化していくかを説明できる
*浸食後の大地が沈降することで,どのような海岸線になるかを説明できる

まとめ ・大地の変化のようすや,リアス式海岸ができる理由などについて発表する

・教師の話を聞く

・数名の生徒に発表させた後,それぞれの説明についてのよい点をあげ,最終的には教師の説明で地層の形成のようすをまとめる
<評価>
  *積極的な発言
  *科学的な説明
 
   
   (1)生徒の感想
・海底にも遺跡や鍾乳洞があることに驚いた。
・昔は沖縄本島も慶良間も,ずっとずっと高い山だったなんて・・・もしかして,またいつか沖縄全部が海の下に沈むってこと?
・慶良間の島は6つくらいと思っていた。あんなにたくさんあったんですね。
・リアス式海岸ができる理由は,「浸食」だ!
 (2)考察
隆起や浸食によってできたと考えられる地形は,全国各地に見られる。これらの地形ができた原因などを理解させるには,動画を含む教材の活用が効果的であった。
  加えて,身近な地域に隆起や沈降によってできた地形があることを知らせ,それらを紹介した番組を見せることを組み合わせた指導を行うことによって,興味・関心が一層高まった。
 
   
  (1)PC関連
・教師用PC(1台),プロジェクタ,教材CD
(2)その他
・ビデオ資料
・指導案は,プロジェクタ等で教材を表示して,クラス全員で一斉に学習を進めていく形態を想定している。
 
   
    教材URL:「教材ソフト一覧」にて教材A-186を閲覧下さい。
http://it.open.ed.jp/kyozai/softs/a186/index.htm (図1)

 沖縄県立総合教育センターに,研修員作成教材として登録されている教材である(A-186)
 沖縄本島南部の地形や地層,地質などについて,静止画や動画を使って解説した教材となっている。
 今回の学習では,この中の「パズルのピースみたいな形リアス式海岸」を活用した。

 
 
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