『平家物語』 序文編                                    中 国語  
   
   多くの生徒は古典文学の学習を難しいものと考えてしまうようである。
その理由としてまず挙げられるのが,現代語とは異なった言語が使われている事実である。つまり,言葉の意味が理解しにくいということが最大の理由であると思われる。それは当時の文化形態が現代のそれと大きく隔するものであるために,現代では存在しない言葉が多数存在することとに起因するものと思われる。このように言語も文化も異なる文学作品を学習することは,生徒にとっては新たな外国語を学ぶに等しいのであるといえよう。
  また,第2の理由として考えられるのが,現代社会と遠く離れた「過去のおはなし」であるために,学習の意義をつかめず,なぜいまさら古典を学習しなければならないのかという疑問を抱いたまま,学習を行うため次第に興味・関心が遠のいてしまうという点である。
 表記上の難解さに翻弄され,作品の核心に気づかないまま学習するのは,生徒にとって大きな損失となる,このような理由により,中学校国語教科における古典学習の基本となる「朗読」「口語訳」「語句」「文法」「歴史的仮名遣い」を取り扱った提示用教材「『平家物語』序文編」を新たに開発した。基本的事項を短時間に視聴覚等の五感に迫る教材を有効に活用することによって,限られた時間の中で,真に大切な内容理解に学習時間を費やすことができるものと考える。
 
   
  学年: 中学校2年
単元: 「古典に親しむ」
校時: 1校時/11時間
 
   
  ・歴史的仮名遣いを法則に則って正しい現代仮名遣いに直すことができる。 
・朗読教材を視聴し,リズムよく朗読をすることができる。
 
   
 
  学習の展開 教師の支援・評価の観点

・注意する語句の確認。 ・事前に宿題として語句調べをさせておく。古典独特の語意を現代語の語意と比較させる。

・提示用教材「歴史的仮名遣い」の確認。 

・提示用教材「朗読」を参考に音読の練習を行う。

・教材「平家物語(序文編)」をプロジェクターで提示して説明する。

・歴史的仮名遣いがどのような規則性によって現代仮 名遣いに直されるのかを学習する。
「は」行を「わ」行に変えて読むタイプのものと,「や・ゆ・よ」を拗音に変換させるタイプがあることを説明する。

<評価>
規則にしたがって正しく仮名遣いを直すことができるか。

・朗読の際,どこで区切るのか教科書に印を書き込み,さらに斉読することで誤読を防ぐ。また,先ほど確認した「仮名遣い」の出現箇所と読み替えを確認していく。
<評価>
誤読がなく,古典のリズムをつかんで音読することができるか。

まとめ ・読みの確認と序文の内容を確認する。 <評価>
仮名遣いを正しく直せるか。また序文の内容を説明できるか。
 
   
  ・朗読CDやビデオと異なり,どの文字をどのように朗読すべきなのかを示すことができる。そのために生徒は声の抑揚やリズム,仮名遣いの読み替えを正しく行うことができると考えられる。
・表現方法の学習をマルチメディア教材を用いることで,理解度を深めることができる。
 
   
   教師用PC(1台),プロジェクター(1台),
 必要とするソフトウェア(必須)「Flash Player」Ver7以上,Shockwave Player」Ver10.1.0.11 
                      以上(Macromeadia),「Adobe Reader」Java Vm(microsoft)
教材 「『平家物語』序文編」(html)
http://www2.open.ed.jp/JBC000F/JBC030F_app.po?DATA_ID=37499

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図1 教材の初期画面
  巻ノ壱〜伍はクリックすると,それぞれの学習項目にジャンプする。
   をクリックすると学習終了となる。
   をクリックすると確認問題に移行する。

図2 巻ノ壱 朗読
  朗読に合わせて文字が赤色に変換する。
 
再生ボタン
一時停止ボタン
リセットボタン

「Macromedia Flash MX」で作成

図3 巻ノ弐 歴史的仮名遣い
PDFファイル方式なので,プリントアウトが可能となる。
巻ノ弐・参・伍がこれに該当する。

図4 巻ノ四 表現
 パワーポイントで作成された画面。クリックする度に説明文が追加される。
他の教材を学習する場合にも活用することもできる。

 

 
 
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